コーヒーの銘柄、生産国って多いですよね。こんなに種類があるんだってカンジでしょう。
私も今まで30カ国近くのコーヒーを飲んできました。世界各地で栽培されているコーヒーですが、もともとの原産地はエチオピアというのはご存知でしょうか。
そこから人間の手によって各地に広まって行ったわけですが、世界各地で栽培できるほど適応性がある植物なのに、なぜエチオピアだけにしか自生していなかったのか。不思議に思っていたところ、遺伝子解析にによってわかったというちょっとマニアックな話です。
アラビカ種は自分で受粉
いま私たちが飲んでいるコーヒーはアラビカ種というコーヒーノキの種類になります。
実がなるためには、雄しべと雌しべで花粉が受粉することが必要になりますよね。
コーヒーノキは1本の木、同じ花筒のなかで受粉ができるため、割と栽培しやすいのだそうです。
自家受粉ができるため世界に広がったといえます。実際にコーヒーの実を見たことがありますが、こんなに実がつくんだと思いました。
なぜコーヒーはエチオピアにしかない
原産地がエチオピアというのはコーヒーの本によく出てくる話ですが、もっと詳しくいうと、エチオピア高原の西南部、標高1300〜2000mに位置する、現在の南部諸民族州とオロミア州の一部が元々の原産地だそうです。
ここでは今でも野生のアラビカ種が自生しています。しかし、アラビカ種が誕生したのは、違うところになります。
コーヒーの誕生はウガンダ・コンゴだった
数十万年前、ウガンダとコンゴ民主共和国の間にある湖「アルバート湖」周辺で、アラビカ種が生まれました。
そこから山脈に沿ってエチオピアまで広がっていったというのが、遺伝子解析の結果わかったそうです。数万年前はウガンダ、コンゴ、エチオピアの山脈に自生していたと考えられています。
では、なぜエチオピアの一部にしか生息していなかったのか?
答えは「氷河期」
数十万年前に生まれたアラビカ種は氷河期という試練を向かえることになります。
寒さのピークだった2万年前のアフリカは冷たく乾燥した砂漠が広がり、山頂部では万年雪に閉ざされ、霜に弱いコーヒーノキは次々に枯れていきました。
エチオピア西南部はやや標高が低く、比較的温暖で森林も点在してたので、そこが避難シェルターになり、エチオピアのコーヒーノキだけが生き残ったというわけです。
まとめ
たまたま温暖な地域に生息したコーヒーが生き残ったからエチオピアが原産となったという話でした。
氷河期がもっと続いていたらコーヒーが存在してなかったかもしれないですからね。氷河期怖いっすね。
「コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)」からわかりやすいように抜粋・割愛してまとめたので、もっと詳しく知りたい方はこちらを読んでね。
今日も寄っていただきありがとうございます。遺伝子解析の話マニアックでしょ。