コーヒーのフルーティーがわからない方、そもそも論なぜコーヒーにフルーティーなコメントがあるのか。 フルーティーなコーヒー豆のおすすめや、フルーティーな酸味を感じやすい入れ方を紹介します。
コーヒー豆の説明に「オレンジのような~」「ストロベリーみたいな〜」っていうコメントを見かけますよね。

でも一口飲んで「おおお、オレンジだ」ってねえわ
以前、私もそう思ってました。ミートゥーです。なんですが、結論先に言えば、



フルーティなコーヒーがあるかないかで言えば「あります」
しかし、たどり着くまで数年かかりました。さらに自分で淹れて楽しむまで、さらに何年かかかりました。
そんなフルーティーなコーヒーなんですが、それは一部の浅煎りのスペシャルティコーヒーだったり、浅煎りのコーヒーの淹れ方の問題もあったりで、いくつかの関門があるので整理していきましょう。
「私はこういう認識でした」という一般消費者の体験ベースのざっくりした話になります。
なので、コーヒー業界の細かい定義や名称など、正確な表現ではない部分もあるかもです。その点ご留意いただき、気付いた方はやさしく愛をもってコメントでフォローいただけると助かります。
数年、紆余曲折してたどり着いたフルーティーなコーヒーの楽しみ方を説明していきます。
フルーティーわからない


まず、私がはじめてフルーティって感じたコーヒーは、粕谷哲さんのコーヒー抽出世界大会で優勝した「ゲイシャシルビア」を
ご本人が淹れたコーヒーを実践会で飲んだときでした。
これがコーヒーか!?っていう、たしかにストロベリーやワインのようなフルーティーな味わいでした。
まあ、世界一になったコーヒーですからね。別もんです。
で、同じ豆を取り寄せて、自分で淹れてみたりして、
それからは、フルーティーなコーヒーもあるとわかりました。
ただ、それは別格の一部の浅煎りのスペシャルティコーヒーの話です。
しかし、一般市場のコーヒーにはフルーティーな説明書きを見かけますよね。
なぜこのコーヒーフルーティー問題が発生するのか?
私の場合、4つ原因がありました。
・過剰コピー問題
・スペシャルティコーヒー問題
・フレーバー問題
・浅煎り問題
過剰コピー問題


ある大手チェーン店のコーヒーに実際に書いてあったコピーなんですけど、
「甘くフルーティーな香り、完熟果実のようなやわらかい酸味」
実際飲んでみましたが、全然違う。



普通にコーヒーの香りやし、酸味もねえし、普通にコーヒーの味やんか!
さすがにこれはトゥーマッチ、言いすぎでしょ。なんでこうなるか。売るためなんですよ。私も仕事でコーピーライターやってたらこう書いちゃう。市販されてるヤツは、浅煎りでもない普通のコーヒーの味わいなのに、まるで「スペシャルティコーヒー」のようなコピーが付けられている。っていうのが1つ。
スペシャルティコーヒー問題


もう一つは「スペシャルティコーヒー」の定義があいまいなことでしょうか。そのせいか市場にはスペシャルティコーヒーじゃないスペシャルティコーヒーも多くてですね。
SCAJの定義
消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup)
ちょっと抽象的ですよね。でも厳密には国際カップ審査で80点以上とかあるみたいなんですが、明文化されてないですね。



えーじゃあもうわかんえーよ
そうなんです。ミートゥーでした。でも、ひとつ明確なのものがあります。



COE(Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)
各国でコーヒーの品評会があって、国際審査員が採点した点数の平均が87点以上のコーヒー豆だけに与えられる称号です。COE豆っていうのは、間違いなくスペシャルティコーヒーといえます。だいたい秋から冬にかけて専門店で売られますね。


フレーバー問題


例えば、商品に「ラベンダー、レモングラス、ピーチ」のようなって書いてあったら。これは味ではなく、フレーバーなんですよ。



フレーバーっていうのは「風味」
香りと味なんですよ。液体を口に含んだときに、鼻から抜ける、香りと味が一体になったものを風味「フレーバー」って言い方をします。
もともとのSCAA(アメリカのスペシャルティーコーヒー協会)ではフレーバーホイール「味と香りを体系化」したものがあります。
これに沿って表現することもあるけど、ここでは明確にアロマって書いてますね。
アロマは「液体から発せられる香り」。
テイストは味ですけど、味の表現にはアップルとか、ストロベリーはなく、酸味、苦味、塩味、とかそういう分類になってる。
なので、フレーバー特性として、アップルとか、ストロベリーって書いてあったら、なんとなく味をイメージしちゃいますが、味でなく、香りをメインとした「風味」ですね。
浅煎りの淹れ方問題


味じゃない香りね。市販のスペシャルティコーヒーのなかには、明確じゃないものもあるのね。OKわかった。じゃあ基準をクリアしたスペシャルティコーヒーを買いました。
で、次にくるのが「浅煎りの淹れ方問題」
浅煎りのコーヒーの淹れ方がむずかしいんですよ。
数年前のだいたいのコーヒーの本は中煎り~深煎りをメインとしたコーヒーの淹れ方なんです。(最近の本は浅煎りの淹れ方もだいぶ多くなってきました)
当時の私は「中粗挽きで、温度は85度で、中心にだけ注ぎ、ドームを形成して崩さない。」をベースにしてました。
これだと、浅煎りのコーヒーは酸味傾向で薄いコーヒーになって、飲んで「おいしい」ってならなかったんです。
じゃあ、浅煎りの淹れ方のポイントはとういうと、「細挽き、高温、攪拌」なんですよ。



真逆じゃ!浅煎りの淹れ方に気付くのに数年かかりました
おすすめのフルーティーなコーヒー豆


もう一度整理すると、
まずガチなスペシャルティコーヒーで浅煎りのものをゲット
つぎに浅煎りに合った淹れ方をする
最後飲むときは、味ではなくフレーバーとして感じるってこと。
OKじゃあ、スペシャルティのフルーティーなコーヒー飲んでみたい。
ってなって、おすすめがこちらSOTCOFFEEさん。


アメリカのコーヒーレビューサイトでも高得点を出してて、焙煎技術もある浅煎りのスペシャルティコーヒー専門店です。
SCAA 80 点以上のスペシャルティコーヒーもしくは同等の高品質の生豆のみを使用し、「果実の甘み」に特化しています。SOTはスウェーデン語で「甘い」。
北欧式のノルディックローストで、フルーツの華やかなフレーバーと、みずみずしい甘みのあるテイストになるように焙煎しています。
また淹れ方のレシピをつけてくれているので、これに沿えば、自分でもおいしいコーヒーがドリップできます。
そしてフレーバー特性を日本人の味覚にあった形で書いてくれてます。
「レモングラス、ゆず、ブラウンシュガー」とか。
この精度がたかいんですよ。過剰コピーではない。たしかにたしかにって思える。
で、そういう風味を感じられたら、ま、正解というか。ちゃんとドリップできてるってことですね。
実際の豆をチェックしていきましょう。


フルーティーなコーヒーを味わいたいなら、エチオピアはおすすめですね。エチオピアの豆は非常に果実の風味が高いコーヒーです。
うん。美しい。
ウシュウシュも見ましょうか。


ウシュウシュは品種の名前なんですが、冒頭に言った粕谷哲さんの世界一のコーヒー「ゲイシャ種」それのいとこみたいなヤツがウシュウシュ。
いいですね。エチオピアとウシュウシュがアメリカのコーヒーレビューサイトで95ポイントを獲得してます。
浅煎りの淹れ方


「SOT COFFEE」さんのレシピを、サクッと言いますと、
ドリッパー:ORIGAMIドリッパー
ペーパーフィルター:アバカフィルター
コーヒー豆:14g
挽目:フジローヤル R440 #2.5(中細挽き)
お湯(90℃):200g注湯
①〜30秒 40gのお湯を入れ30秒間蒸らす
②〜60秒 100gまでお湯をゆっくり注ぐ
③〜80秒200gまでお湯を一気に注ぐ
では、実際淹れていきましょう。
コーヒー豆は14g を中細挽きで使います。
どれくらいが中細挽きかっていうと、これぐらいですねー。分かりますかね?
はい、では入れていきましょう。
後半は勢いよく注いで、ドリッパー内のコーヒー粉を攪拌させて、お湯の重さをかけて落としていく。
浅煎りは比重が重いので下に貯まりやすく、つまりやすかったりもするので、攪拌して落としていく。
「浅煎り」は
細く挽いて、甘みを出して、
高い温度で、香りを出して、
短い時間で、苦味を出さない。
「酸味・甘み・香り」で構成する。苦味、渋みとか、他の要素は捨てる。



細挽き・高温・短時間がポイントですね~
フルーティーなコーヒーの味


エチオピアG1
はいできました。飲んでみましょう。まずエチオピアですね。



ストロベリー、プラム、キタ――(゚∀゚)――!!
確かに確かに。もともとエチオピアは果実感のある味わいですけど、香り、フレバ―がよりフルーティーではっきりしてますね。さすがコーヒーレビュー95ポイント


●ウシュシュ
はい、ではこちら、うしゅうしゅ飲んでみましょう。



パパイヤ、ブラックカント、ホワイトワイン、キタ――(゚∀゚)――!!
ブラックカントはカシスですかね。なるほど。なるほど。甘みと酸味、香り、まさにフルーティーな1杯ですね。うまい。こちらもコーヒーレビュー95ポイント。
続いて、ブラジル、コロンビアも飲んでみます。


●ブラジル
はい。では、ブラジルの方、こちらもああいい香りです。



レモングラス、ゆず、ブラウンシュガー、キタ――(゚∀゚)――!!
ゆずってなかなかないでしょ?コーヒーでゆず。それがあるんですよ。
●コロンビア
コロンビア。これは絶対にうまい。香りがもう甘い、甘い香り。フレーバー特性が



マンゴーパパイヤ、パイナップル、ワイン、キタ――(゚∀゚)――!!
もう、まさにコーヒーフルーティー問題を代表するかのようなコーヒーですね。


で、飲むときも1個ポイントがあって、



少し冷まして飲む
抽出には高温帯を使うけど、飲むときは、少し冷めたほうが味を感じやすいんですよ。
コーヒー抽出世界大会で優勝した粕谷哲さんは、大会で少し冷まして提供したらしいんです。
味覚的にもあっつあつは味を感じにくいんですよ。
なので、最初は香りをかぎつつ、チビチビ口をつけて、少し落ち着いたところでじっくりゆっくり味わう。温度の変化とともに変わる味わいっていうのもたのしみつつ。


「コーヒーは冷めないうちに」っていう従来のコーヒーとも違うところですね。
これを普通の人に出したら「コーヒーじゃない」って反応しかないでしょうね。紅茶とかに近い味わいなんでね。
そういう意味ではコーヒーフルーティー問題は「慣れ」もあるんですよね。
ある程度慣れていって、味わいが好きになっていったり、経験を積み重ねて、違いがわかるようになったり。
あと、濃いめに淹れるとフルーティーな風味を感じやすくなります。豆2g増やすか、抽出量を少なくするかで、リッチ飲みバージョンで微調整してください。
まとめ感想


フルーティなコーヒーは「あります」いま飲んでます。
「は?つってもコーヒーはコーヒーだろ?微妙なかすかな香りの違いだろ?」
って思われるかもしれませんが、いま飲んでる豆は、実は普通の豆とはちょっと違うんです。
なぜフルーティーなのか





実はこれらのコーヒーは「発酵させたコーヒー豆」になります
アナエロビック、エクスペリメンタルという精製方法になります。
精製方法っていうのは、実を収穫、種を取り出すんですけど、普通は「水洗い」ウォッシュド、「天日干し」ナチュラルが主なんですが、
液に漬けておいて微生物で、豆を発酵させるっていうコーヒーが近年出てきました。
発酵させるので、特殊なフレーバーが生まれます。
コピルアクってご存じでしょうかね。ジャコウネコが食べたコーヒーの実をフンから取り出して精製するコーヒーなんですが、原理は同じですね。発酵されるから、香味が違うよって話。
ま、それを人工的にやってるような感じでしょうか。
ワインが発酵によって味が変わるように、コーヒーもそういった感じになるかもですね。
まだ、あまりメジャーでないですね。一般市場では、まだまだ新しいタイプのコーヒーで買えるところも限られてきます。
なので、フルーティーなコーヒー一度飲んでみたいという方は、「SOTCOFFEE」さんおすすめです。


もともとスペシャルティ品質のコーヒーなうえに、こういう発酵系コーヒーも扱っているので、よりフルーティーなコーヒーを感じやすいでしょう。もうフルーティーなコーヒー専門店といっても過言ではない。
一度このフルーティ問題やりたかったんですよ。ちょうど今回サンプルをご提供いただいたので、やっとできました。ありがとうございます。


挽き売りもあるので、挽き目が不安なら、挽いてもらうと確実かも。
今日も寄っていただきありがとうございます。コーヒーフルーティー問題というお話でした。
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