今日紹介するのはハリオのW60です。アマゾンセールでゲットしました。発売当初はスルーしてましたが、
結論:意外にいい。買ってよかった
理由は、浅煎りを香り良くすっきりさわやかに仕上げてくれるから
樹脂メッシュのフラットボトムのフィルターという他にない構造と素材なので、独自の味わいでもあります。
浅煎りコーヒーに苦戦してる方なら、W60という選択肢アリです。
正直もっと早く買えばよかったと思いました。
バリスタ世界チャンピオン、ピート・リカタ監修で、浅煎りに特化した「コーヒーの味を洗練させる次世代のドリッパー」です。
新発売でもないし、後発のレビューですが、結構好きな味わいだったので気に入りました。少々お付き合いください。
早速使っていきましょう。
樹脂メッシュフィルター
まずは樹脂メッシュフィルターだけで使っていきましょう。
説明書にあるピートの淹れ方
コーヒー粉:20g(細~中細挽き)
湯量:330mL(95℃)
・蒸らし:50ml(30秒)
(100mlを15秒間隔で2投)
・150mLまで
・250mLまで
・330mL落とし切り
時間:3″20~3″30
本人が解説の動画もあります。そちらではコーヒー24gお湯396mLという、
きりの悪い数値でやってました。
説明書は比率を保ちつつ、きりよく調整したレシピでしょう。説明書に書いてない部分は本人動画を参照して補いました。
また本人です動画では1投で注ぎ続けていたし、注ぎわけてもいいよって言ってたので、注ぎのタイミングはそんなに重要じゃないみたい。
比率と時間の方が優先なんでしょう。
最初は回しながら「の」の字で広げていく、で、次は縦々、横々のジグザクに注ぐ「クロスハッチ」って注ぎ方をする。を繰り返す。
対流させながら、粉とお湯を接触させて、プールしながら均一化させるって感じですね。
ちょっとヌケ具合を見たい。おおお樹脂のメッシュですけど、結構お湯を貯めてくれますね。
注いでいるときに水位が上がってたので、やっぱ挽き目が細かいと、それなりにプールしてくれますね。
はいではできました。飲んでみましょう。
フレーバー!
フレーバー特性はかなりはっきり出してくれる。マジか。あ、これ好きかも。
明るい酸味ですっきり。それでいて単調じゃない。味わいもある。
コーヒーオイルも落ちてますね。微粉も比較的少ない。
アリやん。めっちゃアリやん。直感的にアリっていうのは感じます。
でも、ちょっとライトか。注ぎが早かったかな。もうちょっと時間かけて注いでいいんでしょうね。意外とお湯を貯めるんで、ヌケ具合と同じぐらいの湯量で注いでもいいかも。
濃度が約1%。うん、もうちょっと欲しいな。単純に比率を1:15にしてもいいかも。コーヒー20gで300ml注ぐか。ま、好みで調整でいいでしょう。
ていうかゴールドフィルターより好きかも。
いやいや、この1回だけではわからんばい。
特徴
W60は3通りの使い方ができます。
- 樹脂メッシュのみ
- 紙フィルターのみ
- 樹脂メッシュと紙フィルターのWフィルター
樹脂メッシュフィルターの形状のロジックをサマルと、浅煎りのコーヒーは水分を多く含んでいるので沈みやすい。
平底形状にして沈殿させない。
注ぎの水流で自由に動きまわらせ、粉全体にお湯を接触させるので抽出を効率的に行う。
っていう方法論。なるほど。
1杯分
ダウンサイズして抽出に問題ないか。コーヒー粉10g中細挽きで基本ピートのレシピですが、倍率1:15に下げて淹れます。濃度上げたい。
ドリップ具合を見たいのでハリオV60にセットしてみましょう。この陶器ドリッパーは支えでしかないので、抽出には影響しないはず。ま、温度には影響あるでしょうが。
あ、薄い。マジか。まだ注ぎの量が多いか。抽出時間も短いか。悔しいなあ。でもこれはイケそう。1杯分、大丈夫なはず。
リベンジは注ぎを細くします。ミニドリップカップでいきましょう。
そして注ぎは落とし切りにします。本人動画は注ぎ続けてましたけど、1杯分は落とし切りで濃度上げましょう。
できました。どうでしょうか。
うん。キタ。甘み、フレーバー。
最初の2杯分のピートのオリジナルレシピに近いですね。
同様にあっさりしすぎなら、もっと濃くすればいいって感じかな。
濃度1%ですね。
比率を1:15にしましたが、やっぱりコーヒーの使用量を少なくすると、抽出効率は落ちるみたいですね。
あと1杯分だとちょっと微粉が目立っちゃうかな。
でも全然アリ。1杯分でもアリ。
ペーパーフィルターのみ
で飲んでみましょう。
ま、W60の形状的には、口径が大きくて深くなってますね。
リブの突起がV60より高いので、抜けやすいのかもしれないけど。
大きな差じゃないでしょう。
外見の曲線の膨らみ具合は内側の構造にそんなに関係ないみたいですね。
ほぼV60って感じなので、V60の2-4杯用持ってなくて、02サイズ購入予定があるなら、W60も検討してもいいかなって感じですね。デカいけど。
ピートのレシピはこんな感じです。
コーヒー粉:20g(中細挽き)
湯量:330mL(95℃)
蒸らし:40mL(30秒)
・1投勢いよく140mLまで
・2投ゆっくり240mLまで
・最後勢いよく330mLまで
時間:2″30~2″45
できました。
うん、すっきり。いいね。
甘み、酸味、フレーバー
やっぱピートはライト志向なんでしょうね。
倍率1:16.5これが好きだって言ってましたからね。
浅煎りの酸味がちょっと苦手な人なら、これぐらいライトな味わいから飲んでいったら、飲みやすいかも。
Wフィルター
樹脂メッシュ&紙フィルターのダブル仕様です。
ピートのレシピはこんな感じです。
コーヒー粉:30g(細~中細挽き)
湯量:500mL(95℃)
蒸らし:70mL(30秒)
(100mLを15秒間隔で4投)
・170mL
・270mL
・370mL
・470mL
・500mL
時間:4″20~4″45
使うコーヒーを増やして来ましたね。基本はメッシュのレシピと同じなんだけど、紙で濾しちゃうと、あっさりしすぎるんでしょうね。倍率は同じでもコーヒー量増やして、時間かけて、ちょっと味を引っ張ろうぜって感じでしょうか。
円を描きながら広げ、たてたてよこよこのジグザグのクロスハッチを繰り返す。
ちょっと、見てみましょう。
あ、ちょっとペーパーで貯まってますね。浸かってはないみたいだけど。
Wフィルターだと、浸からないようにこの高さと直径がいるので、この大きさになったんでしょう。
で、Wフィルターだと、ペーパーのヌケが遅くなるので、リブの突起も高くしたんでしょうね。なるほど。
ペーパーのヌケが悪いのは微粉だけがペーパーに落ちて紙の目に詰まっていくんですよね。樹脂メッシュからの自然落下で対流も起きないのでヌケが悪い。
公式サイトには「4分前後で完全にコーヒーが落ちます。」とありましたが、8分近くかかりました。最後まで待たず切り上げていいでしょう。
できました。どうでしょうか。
うん、クリーンですっきり
でも軽すぎず、これが一番バランスいいかも。
やっぱりコーヒー粉の量でしょう。量を多くすると抽出効率が上がる。っていうのは当たり前なんだけど、それが顕著に現れるのがこの平底メッシュかも。
濃度を測ってみましょう。1.37%うんコレぐらいあってもいい。ちょうどいい。
やるなあピート。全体的にピートの浅煎りに対するアプローチは好きですよ。アリです。勉強になったし、使えるこの樹脂フィルター。
Matt WintonのW60フルボディレシピ
ではもう1個、世界チャンピオンのレシピ試してみましょう。
(2021年 WBrC 世界チャンピオン)Matt Winton氏のW60のレシピもあります。こちらも本人動画があります。2021年といえば畠山大輝さんが2位だった年ですね。
Mattは樹脂メッシュオンリーで、ハリオのスリムミルの9クリック細挽きで20g
93℃のお湯を50gずつ注いで落とし切りで5投する
コーヒー粉:20g(細挽き)
湯量:250mL(93℃)
・50mL落とし切り5投
動画では中煎りぐらいの豆でしたが、湯温高め93度、倍率12.5倍、濃度上げて、ガツンと味とボディ出そうぜって感じでした。「フルボディ」って言うてました。「植物性ミルクを入れてもいいぜ」とも言うてました。
ピートのライトレシピに対して、もっとイケやって感じでしょう。
あ、ヌケが悪いけど、これ大丈夫かな。落とし切りっていってたけど、えええ、
50gで注ぎ足しでいきましょう。
ちょっとひよっちゃいましたが、できました。
そして夜はデカフェですが、普通のコーヒーにかなり近いおいしいデカフェです。
飲んでみましょう。おおお、いいじゃん。
デカフェでもこんな感じに濃いめに仕上げればコーヒーの満足感も出るし、いいね。
これならカフェオレにもよかやん。デカフェの夜コーヒーにもW60ありじゃないですか。
マットの本人の動画を見直しましたが、時間については、やっぱ言及がなかったし、保温サーバーを使ってたので、ヌケ具合がわからんし、編集してるっぽいので、疑問が残りますが、
時間はかかっていいんでしょうね。だから保温サーバーなのかもしれないっすね。
ま、濃く淹れても、浅煎りじゃなくても、OKってことで、
W60これかなり平均点高いんじゃね。って感じざるを得ません。
お手入
W60のメッシュフィルターのコーヒー粉は比較的捨てやすい。
ひっくり返して、バンバンってだけで、かなり粉が落ちる。
ステンレスフィルターだとここまで落ちてくれない。
洗うのもラクでした。フレンチプレスとかめんどいっすよね。
なので普段使いしやすいのもポイント高い。いい感じです。W60意外にいい。
スペック
順番最後になっちゃったけど、スペックとサイズ感さらっておきましょう。
サイズ:W16×D12.7×H10.9cm
口径:11.6cm
容量:1~4杯用
重量:500g
素材:本体 / 磁器
フレーム / ポリプロピレン
メッシュ / ポリエステル
フレーム、メッシュともに耐熱120℃ですが、
この素材的に拒否感ある人もいるかもね。
多国語の説明書で世界販売してるから、基準はクリアしてるとは思いますけどね。
ハリオのサイトでもプラ素材の安全性的な明記はなかったけど、海外のほうがプラ製品の基準が厳しいって聞きますよね。
W60はワールドバリスタチャンピオン、ピートリカタさんが監修のもと開発したドリッパーです。
ピート・リカタさんはワールドバリスタチャンピオンシップという国際大会の第14代チャンピオン。国籍はアメリカで大学時代に日本語を専攻していたこともあり、親日家です。
ダイドーの缶コーヒーを監修「ダイドーブレンド 世界一のバリスタ監修」
あ、あれか飲んだ飲んだ。
ピート曰く「私はバリスタの抱える”コーヒー粉を平らにする抽出問題”を解決したいと思っていました。円錐形・平底型のどちらでも、コーヒーの層を均一にするのは難しいため、一つの到達点として層の均一化を目指していました。」
なるほど、やっぱバリスタのエスプレッソの粉を均一化させるってことをドリップでも重視したっていうアプローチかもですね。おもしろいなあ
メリットデメリット
【デメリット】
・でかい
・価格
・淹れ方と量
まず「でかい」私が避けてたのもコレなんですよね。基本1杯分が多いので、デカい容器はあんまり好きじゃない。
つぎ値段ですね。定価¥3,960(税込)アマゾン実売2700円ぐらい。
樹脂メッシュの味わいが合わなかったときがつらいですね。
最後、淹れ方と量ですね。ピートのレシピはスケールを使う前提なので、中級者向けでしょう。初心者におすすめって感じではないかな。
あと樹脂メッシュで粗挽きになると、コーヒー粉の層が低いので、ヌケが早くなって、お湯が貯まらないので味が出にくい。粗挽き派の人はペーパーオンリーの使い方になるので、粗挽きだとW60は合わないかな。
あと量ですね。2-3杯がメインですね。1杯分をカバーしようとしたら、物自体の大きさをダウンサイズしないとダメなんでしょうね。
【メリット】
・浅煎り
・3WAY
・ランニングコスト
浅煎りに苦戦してる方はコレ試す価値あると思います。
金属フィルターだと微粉傾向だし、ペーパーだと単調だしって、浅煎り迷子の方
ペーパーとステンレスのいいとこどりしてるので、アリの範疇に入ってくるかもしれません。
メッシュとペーパーのWフィルターもなかなかよかった。
使い方が3通りあります。ピートの淹れ方に沿えば、各味わいの違いはあるので、同じコーヒーで3種類の味わいが楽しめる。
樹脂メッシュの平底という構造と素材が他にないので、未知数な部分で、ポテンシャルはありますよね。
最後ランニングコストですね。ペーパーレスで使えて、ランニングコストかからないので、この味わいがハマって、長く使っていくとコスパのいいドリッパーになっていくと。
まとめ感想
W60意外にいい買ってよかった
浅煎りを香り良く、明るい酸味と、中細挽きの甘み、すっきりさわやか。
かつ味わいはコーヒーオイルで単調でなく、微粉も少ない。
浅煎りの淹れ方と道具のなかでも、なかなか、いいポジションです。
浅煎りの入れ方4選に加えたいぐらい。撮り直したい。
浅煎りだけでなく、オールマイティに平均点を上げてくれます。
詳しくは概要欄にリンクあります。
意外にいいっすよハリオW60というお話でした。
さすがバリスタ世界チャンピオン
あと、細ドリッパー(たらちね、ディープ27)が合わなかった方、
これ検討していいのではないでしょうか。
W60はアプローチとして逆ですからね。
ディープはコーヒーの粉の層を高くして味を出そう、なんですが、
W60は層を低く平べったくしてお湯で対流させて、お湯と粉を均等に接触させて味を出そうってアプローチ。
なので、細ドリッパー、いまいちハマらなかった方、浅煎りコーヒーに苦戦してる方、W60ご検討ください。
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