コーヒーでベトナムを連想する人は少ないかもしれませんが、ベトナムのコーヒー生産量は世界第2位なんですよ。しかし、そのほとんどがロブスタ種という味が落ちる品種です。味のいいアラビカ種は数%しか生産されていませんが、ベトナムのコーヒーとはどんな味なのでしょうか。取り寄せて焙煎して飲んでみました。
生豆がきた
まずエバーグリーンっていうぐらいだから、グリーンの色が濃い。そして粒も大きく、すごいツルツルっしてます。品種はカティモール種になります。
カティモール種とはカトゥーラとティモール・ハイブリッドの交配種です。
ティモール・ハイブリッドとは、東ティモールで発見されたアラビカとロブスタの異種間自然交配種。ロブスタ種の病気に強い特徴を持っています。
もう一方のカトゥーラは1937年にブラジルで発見されたブルボンの突然変異種です。生産性が高く、樹高が低い矮性種は収穫効率もよい。
カティモールは、この両方の特性を持ち、病気に強く、収穫量が多い生産メリットの高い品種です。しかし、ロブスタ種の遺伝子を受け継いでいるカティモールは、アラビカ種に比べて風味が劣るといわれています。
生産国:ベトナム
地域:ラムドン省ダラット地域
業態:小農家からの集買
規格:Grade1
品種:カティモール
スクリーン:18
精選方法:水洗式
精選工場:Olam Me Linh Wetmill
収穫時期:11〜1月
標高:1200m
販売店コメント「爽やかさにアーモンドのような香ばしいアロマ。クリーミーな飲みくちにグリーンマンゴーを想わせる渋みのある酸味。スパイシーでハーブやピュアココアを感じさせるしっかりとした苦みのコク。」
ベトナム南部の中部高原に位置する都市ダラットは、温和な気候で丘や林、湖や滝のある美しい風景のため、1900 年代初頭にフランス人によりリゾート地として開発されました。熱帯地域でありながら朝晩は冷え込むほど寒暖の差があり、コーヒー栽培にも適した冷涼な気候の地域です。
焼いてみた
ハゼといって豆の水分が膨張して弾ける音がしますが、1ハゼ目がだいぶ遅い。2ハゼ目の音もわかりにくい。この音を頼りに焼くので、焙煎は難しかったです。焼き色と音のタイミングが今までの経験則から外れているので、ちょっとクセがあるな。水分が多いからかもしれませんね。
深めに焼いていくと、ロブスタっぽいにおいが出てきます。
飲んでみた
では、どんな味か飲んでみましょう。まずはペーパーフィルターでドリップします。
おっ。蒸らしのときの香りは果実フレーバーもあり、いいカンジですよ。
しっかりしたボディとコクがあります。ほんのり果実味もあります。フレンチプレスでも飲んでみましたし、全然悪くないですね。
コーヒー粉10g粗挽きの4:6メソッドで150m抽出でl淹れたのが一番好きでした。甘みがあり、スッキリ。やや渋みが出やすいので、ポイントは粗挽きですね。
過去に飲んだ中国のコーヒー(中国のコーヒー豆「雲南シモン」ハイブリット種の味は?)よりもおいしい。中国はさすがにおすわけ販売できなかった。まーどうしてもベトナムというイメージが払拭できないかもしれませんが、ヘタな中南米の豆よりもおいしいです。
アジア産の良質なコーヒーが増えれば、日本にいる私たちもおいしいコーヒーが飲めます。ほとんどのコーヒーの生豆は船便でなので時間がかかるんですね。アジア産のコーヒーならフレッシュな生豆が届けられる。ということで応援も込めて。
今日も寄っていただきありがとうございます。今月はアジアコーヒーの旅をいかがでしょう。