スカタライツは美空ひばりのリンゴ追分をなぜカバーしたの?謎が解けた

50年前のジャマイカで発売されたSKATALITESのRINGOというレコードがあります。美空ひばりさんの「りんご追分」をカバーしているのですが、なぜジャマイカにこんなレコードがあるのか長年の謎が解けたという話です。

50年前のジャマイカの音楽SKA

今から約50年前、1960年代のジャマイカでSKAという音楽が生まれました。それまでアメリカからJAZZやR&Bのレコードを輸入して聞いていたのから発展し、自分たちで踊れる音楽を作り出そうとして生まれたダンスミュージックです。JAZZをベースにした管楽器のブラスバンドスタイルで、ンッチャッンッチャッンッチャッンッチャッという裏打ちのリズムを刻み、さらに口で「チキッ、チキッ、チキッ」って強調したり、「フィッフィッフィッ」って声で音頭をとったり、ちょっと変わった音楽なんですが、当時のジャマイカで大流行して、次々にレコードが作られました。

スカタライツのリンゴは何か変?

その中になぜか、美空ひばりさんの「りんご追分」を演奏しているレコードがあります。SKATALITES(スカタライツ)という最も有名なバンドが「RINGO」という曲名で演奏をしているのですが、聞いてみると、ボーカルはなく、インストゥルメンタルの曲で、確かに「りんご追分」のメロディー。でも変なのはそのレコードには、「パッカパッカ」って馬の走り抜ける音と「バキューン、バキューン」って銃の音とか、”Here Comes Ringo!”と叫んでいる声が入っているんです。日本人の私たちからしたら、なんだこれ?ってなりますよね。何だこのアレンジ?って。

Ringo Rides - The Skatalites[iTunes] Ringo Rides – The Skatalites

ウエスタンヒーローのリンゴキッド

調べてみると、当時のジャマイカではウエスタン映画が人気があり、『駅馬車』という映画史に残る不朽の名作と言われるような大ヒットしたウエスタン映画に”リンゴ・キッド”という名前のガンマンが登場します。どうもそれと勘違いして、こんなアレンジになったみたいなんです。「りんご〜」と歌う歌声を聞いて、「これはリンゴ・キッドの歌か」って思ったんでしょうね。

りんご追分は馬子唄

改めて美空ひばりさんの曲を聞くと、不思議とウエスタンっぽい。よく聞くとパカッポコッ、パカッポコッって音が入っていて、馬の足音みたいに聞こえる。実は追分節っていうのは、馬を引いて移動する時に歌われていた馬子唄が元になっているから、やっぱり馬の足音を表現しているみたいなんです。馬を連想させる追分節だから、余計にウエスタンのリンゴキッドと結びついちゃったのかもしれないですね。

リンゴ追分 - 美空ひばり[iTunes] リンゴ追分 – 美空ひばり

リンゴ追分はどうやってジャマイカに?

しかし、どういう経緯で、どういうカタチで「リンゴ追分」がジャマイカに渡ったのかは、スカを聞き始めて20年近くなるんですけど、ずっと謎のままだったんです。美空ひばりさんの歌なのか、リンゴ追分のメロディーなのか。アメリカを経由して入ったのなら、アメリカに残ってるはずなんです。「リンゴ追分」をカバーしたジャズの曲があるとか、「SUKIYAKI」みたいに向うでヒットしたとか。そういうのがないんですよ。

日本とジャマイカの国交樹立

でも、そのヒントになることが一昨年前あった。「日本&ジャマイカ国交樹立50周年イベント」というニュース。これでピンときて、年代を追って整理してみました。

  • 1963年、美空ひばり「リンゴ追分」セルフカバーのレコードが日本で発売
  • 1964年、日本とジャマイカの国交樹立
  • 1965年、ジャマイカで「RINGO」のレコード発売

どうでしょう。この事実だけを並べてみると、自然な流れじゃないですか。コレだと思うんですよ。日本とジャマイカの国交が始まった時、もしかしたら日本の大衆音楽として紹介しようと「リンゴ追分」のレコードを持って海を渡った日本人がいたのかもしれません。そして、美空ひばりさんの歌声がジャマイカのミュージシャンの心をとらえて、日本とジャマイカを音楽でつなげてくれたのかもしれません。

「オレ、これメッチャ好きなんだけど、ちょっと聞いてくれよ」っていうヤツがいて、「何これ!?超いいじゃん。これヤリてえ、カバーしようぜ」っていうヤツがいる。今も昔も音楽ってそういうものじゃないでしょうか。

信じるか信じないかはあなた次第です。

今日も寄っていただきありがとうございます。書いてるうちに都市伝説っぽくなちゃった。

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