フィンランドのSLURP(スラープ)というコーヒー定期購入サービスから謎のコーヒーが届きました。事前情報なしで飲んでみましょう。どこの豆かもシングルなのか、ブレンドなのかもわかりません。とうとつですが、いきさつは後ほどで、とにかく開けてみましょう。
ローストは浅煎りですね。豆の品質は良さそうです。
まずはv60で淹れてみます。おっ独特な強さがあって、香りはいいですよ。これは期待が持てます。
淹れました。では、ひとくち。これは今まで一番表現むずかしいかも。まず「うまい」ってことを断言しときましょう。次に、どう、おいしいかを言葉にするわけですね。
繊細で上品な味
フルーツ名を挙げて何々みたいっていうのが思い当たらないから、むずかしいんですよ。でも、いいコーヒー特有の果実味はあります。しいて言えば、小学生の時、自然に生えてる蜜を吸える花があってね、吸うと花のいい香りがしてほんのり甘いの。それかなあ。花のフローラルなフレバーとほんのりした甘味。そういう自然な甘味。アフターテイストもナチュラルな甘味が口の中にほわ〜って長く残る。
苦味と渋みは一切ない。紅茶とか、ハーブティーとかを好まれる方で「コーヒーは苦いからちょっと」って敬遠されてる、か弱そうな女性がいたら、「大丈夫です。飲んでみてください」って勧められるコーヒー。2杯分入れたので、女性の意見をうかがってみましょう。「うん、すっきりで甘い。ミルク入れたら、めっちゃおいしかったよ。砂糖入れなくても甘かった」と妻が申してました。それは確かに合うかもね。ジャスミンミルクティーみたいな感じになるかも。こいつ野生のカンで牛乳入れやがって、なんかおいしそうやないか。
スペシャルティコーヒーやサードウェーブコーヒーの浅煎りにありがちな、単に酸っぱいコーヒーってあるじゃないですか。このコーヒーはそうじゃない。酸味はそんなに強くない。だから表現むずかしいんだけどね。コーヒーで酸味も苦味もないってなったら、なんなの?ってことで、答え合わせをしました。
SLURPさんに聞いてみた
このコーヒーはルワンダの農園Jaramaで、Nyamasheke地域にある3つのコーヒー農園のうちの最も標高の高いところに位置するところで栽培されたコーヒー。
品種:ブルボン 生産国:ルワンダ 精製方法:ウォッシュド「バニラとスパイスのような味が少し効いた、甘くバランスのとれた風味」
焙煎は「Turun Kahvipaahtimo」2009年、Turkuにある家族経営のカフェで働く2人の兄弟によって創業開始。自分達を魅了する生豆しか焙煎しないほどのこだわりで、常在のコーヒーセレクションがないのも、丁寧に手摘みされた少量のコーヒー豆を厳選し焙煎しているから。焙煎の上で一番大事にしているのは、際立った風味。それゆえ浅煎りにこだわり、さらにそれぞれの豆の個性を引き出すように焙煎。彼らが焙煎したコーヒーはこれまで、2010、2012、そして2014年のフィンランドバリスタチャンピオンシップで優勝を果たしている。
ルワンダ!
そうそう、ルワンダね。自家焙煎で飲んだ時もほのかな甘味で上品な味だった。あー何かに似てるなーと思ったんだよ。そうかこれは当てたかったな。
スパイス!
なるほど、たしかにあるね。といっても味じゃないよ。豆を挽いたときの香りは確かにスパイシーなツンとしたものがある。へーおもしろいなー。これは勉強になった。
常在のコーヒーセレクションがないというのは、共感するなあ。そのときの状態のいい豆を楽しんだほうがいいんですよ。
いきさつ
フィンランドの日本人スタッフの方からメールをいただきまして、日本展開に向けて準備中と言うことで、サンプルを送っていただいたので、レビューさせてもらいました。こういったお話の時は「おいしいと思わなかったら、見送らせてください」と断りを入れています。理由は言いたいことが言えない、いわゆる広告記事にならないようにしたいからです。私は広告代理店と出版社に勤めていたので、自分のメディアには、そういう力関係を入れたくないんです。「いいと思ったら記事にする。無いなーと思ったらボツ。オレが決める」ということで、いちコーヒー好きとして純粋に本当においしかったので、紹介させてもらいました。
slurpxeverycoffee
フィンランドのコーヒー?
しかし日本にいたらフィンランドにコーヒーのイメージありませんよね。スタッフの方とやりとりをしているうち、どんどん興味が出てきました。これは私が記事にするより、この方に紹介してもらった方がおもしろそうなので、寄稿を依頼したら、快く受けてくださいました。次回はSLURPスタッフのリンナンコスキ暢子さんより「日本から移住してわかったフィンランドのコーヒー事情」をお届けします。
もう一杯おかわりいかがですか
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