コーヒードリッパーの「コーノ名門フィルター」をご存知でしょうか。ハリオV60とよく似た形ですが、実はコーノの方が先に発売している円錐形ドリッパーの元祖なんですよ。
コーノ式 ドリッパーは種類が多く、クラシックとか、似た名前でややこしいので整理しました。
レビューではよくヒビが入った写真を見かけるので、陶器製も探しましたが、陶器はないようです。樹脂なのでヒビは入っても割れることはないでしょう。
コーノ式は入れ方と純正フィルターで違いが出るので、レビューしていきましょう。
ハリオと同じカタチだし味は変わらないよね〜って思ってました
みんなそう思うじゃん。それが違うんです!というマニアックにレビューします
それでは世界40カ国以上・3000杯以上のコーヒーを飲み、自家焙煎するコーヒーマニアのコーヒーブロガーひろが「コーノ式ドリッパー」をレビューします。
コーノ式ドリッパー種類
私がコーヒーを飲み始めたとき、参考にしたのは「ほぼ日」のコンテンツなんですが、そこでオススメされていたのが「コーノ式」。
でも形状はハリオと同じだし、ハリオの方が安いし、近所で買えるし、物理的にほぼ同じなんだから、味も変わらないだろうと思い、最初のドリッパーは「ハリオV60」を手にしました。
それからずっと気になりつつも7年たち、ついに手を出してしまいましたコーノ 名門 2人用 フィルター MDN-21「ハリオとコーノのドリッパー問題」にこれでやっと決着がつきます。
で、コーノ式円錐フィルターには実は4種あります。
名門「KONO CLASSIC」MD
名門「KONO CLASSIC」は昔からのプロ用のドリッパー(4杯用)
名門「KONO MEIMON」MDN
名門「KONO MEIMON」は 2010年改良されたプロ用のドリッパー
名門K「KONOS 1925」MDK
名門K「KONOS 1925」は、リブを短く、穴が小さく、抽出スピードが遅い、ビギナー向けのドリッパー
ドリップ名人TF
ドリップ名人は名門よりもリブが長く、穴が大きく、抽出効率を上げた家庭用。でしたが、2020年販売終了となりました。
限定カラーモデル
コーノ式ドリッパーは数量限定で名門のカラーモデルが発売されます。
2021年ついに待ちに待ったevery coffeeイメージカラーのネイビーのクリアカラーが発売されました。
名門と全く同じカラーだけの差ですが、メインドリッパーにしようかしら。
大手ECサイトではショップが高値で売っていたりするので、まずはKONOウェブショップか、KONOオフィシャルショップの正規取り扱い店から探すといいですよ。
ツイッターで教えてくれた「自家焙煎珈琲 Old Lanterns Cafe」さんも正規取り扱い店。
コーノは珈琲サイフオン株式會社
コーノ式名門フィルターは「珈琲サイフオン株式會社」が発売しています。この珈琲サイフオン株式會社は大正時代に国産として初めての「コーノ珈琲サイフォン」を発売。
時代は昭和に入り、5年の歳月をかけ、ペーパーの簡易性とネルの長所を兼ね備えた「名門円錐フィルター」が1973年に発売されました。
コーヒー界の老舗でありイノベーションな企業なんですよ。
ハリオV60との違い
それでは次にコーノ式名門フィルターとハリオV60の違いを見ていきましょう。
値段
まず、ドリッパー本体はハリオの方がめちゃ安です。ハリオの定価は440円ですけど、アマゾンだと300円切っているので、コーノの3分の1ですね。
【ドリッパー価格】
コーノ 名門 2人用 フィルター MDN-21¥918
ハリオV60 01 透過 コーヒードリッパー クリア1~2杯用¥440
次にペーパーフィルターですが、コーノ式は3種類あって一番安いものでも1枚9.98円。
これは私が買ったいろんなペーパーフィルターの中でも最高値です。カリタのウェーブよりも高いんすよ、ハリオの3.25倍も高い。これが本当に味に反映されるのでしょうか。
【ペーパーフィルター価格】
コーノ式ペーパー 1~2人用 100枚入り ¥998
ハリオV60 用 ペーパーフィルター 01W 1~2杯用 100枚入り ホワイト ¥374
大きさ
フチの直径と高さはほぼ同じ。違いは内側のリブの形状と穴の大きさ、底面の台座みたいな部分の内径の大きさ。
コーノ式は大きいので小さいカップには乗せられないのがデメリットですね。
あと、コーノの特徴としてはリブという凸トッキが直線なこと。
このリブによってペーパーフィルターとの空間を作り、コーヒー液の抽出の出口にしていると。で、このリブの長さは発売年によって改良され微妙に変化しているとか。
リブに対する考え方は以前「コーヒードリッパーのリブって意味あるの?」で私が考察したものと同じですね。空気が抜けるとか、お湯の流れが変わるとかじゃなく、隙間を作って液体を出す。
上部にリブがないのは、上部からお湯を出さないため。コーヒー粉の層を通して、下からだけ出そうぜってこと。
ドリッパーの形状の違いで味が違う?
ハリオとコーノドリッパーで味に違いが出るのか試してみましょう。ドリッパー以外を全部同じ条件にして飲み比べてみます。
ペーパーフィルターはどちらもハリオにしました。淹れ方は私の普段の淹れ方です。
違いはドリッパーの形状だけですね。
これで味の違いがあるんでしょうか。飲んでみます。
やっぱりない!
まあ、ないとは言い切れないかもしれないけど、このくらいの違いだったら、どっちでもいいと思えるレベル、気のせいと思えるレベルです。
ペーパーフィルターの違いで味が違う
次は純正ペーパーフィルター対決です。ハリオ、コーノ共に純正フィルターを使って飲み比べます。もちろん他の条件は同じです。
おっこれは違うぞ!
ちょっとこれは無視できない違いです。
どう違うかはっきり言ってコーノの方がおいしい。
酸味と味の輪郭がはっきりして、ややすっきりしている。飲み比べるとハリオは苦味・渋味とまではいかないけど、その要素がやや感じられる。
同時に飲み比べないとわからないレベルだけど、飲み比べたらこれは無視できない違い。
純正ペーパーフィルターを使えば味が違う
コーノ純正ペーパーフィルターは高いけどおいしい
ただし、同時に飲み比べれば違いがわかる程度です。他の豆や淹れ方など何回かやってみて違う結果になれば追記しますが、これまでの経験上、これは淹れ方の差や豆の特徴によって変わる差ではないと思います。
同時に飲み比べないと、わからないレベルなので、この味の差とペーパーフィルターの値段の差をどう見るかですよね。さすがに1枚9.12円のペーパーフィルターを毎日は使えんす。
ここぞという時はコーノ純正フィルター。普段飲みはハリオとかって使い分ければ
なるほど!シュチュエーションによって使い分けるのね。スペシャルティなんかの高級豆を買ったとき、誰かに淹れてあげるときはコーノ純正ペーパーフィルターを使おう。
実はコーノ式ドリッパーはしっかり味を出すタイプのドリッパーです。コーノ式の淹れ方で真価を発揮します
コーノ式の淹れ方
まずコーノ式ドリッパーの淹れ方を見ていきましょう。(参照:HOT PEPPER「メシ通」)
●2杯分240ccコーヒー豆24g
①中央部分に点滴のようにポタポタと落とす
②30秒してコーヒー液が底いち面に広がる
③お湯を落とす範囲を広げ、少し太く注ぐ
※ドームを崩さない
④1/3を抽出したら、さらにお湯を落とす範囲を広げスピードを上げる
※ドームがへこみそうになったらお湯を足す
※アワが下まで落ちないようにする
⑤泡が白くなってきたら注ぐ範囲を広げ注ぐ
⑥残り1/3になったらフィルターのフチまで注いぐ
※その状態をキープして目標量を抽出
※泡・微粉・アクおいしくない成分が浮いた層を落とさない
お湯を落とし切らない淹れ方ですね。珈琲サイフオン株式會社の社長自ら解説された動画がこちら。
ポットの持ち方など、詳しく解説してくれています。この淹れ方じゃないと、コーノ式ドリッパーの良さというか、ドリッパー形状の本来の意図が失われるという。
ていうかその情報、説明書つけるとか、HPに出すとか、しようよ、社長お願いしますよ〜
最初の30秒は点滴ドリップなので、慣れないと難しいです。ここ数日やってみてミニドリップポットを使うと点滴しやすいとわかりました。
コーノ式ドリッパー評価
コーノ式はコーヒーの味をしっかり出すドリッパー
ハリオV60はぺーパーフィルターとドリッパーを密着させないようリブを作り、あっさり味を出す。
コーノは下部にだけ直線的に配置し、コーヒー粉とお湯をしっかり接触させ、しっかり味を出す。
形は同じだけど、実は目指してる味の方向性が全く違う。
ドリッパー・フィルター・淹れ方の3点セットで使いましょう
リブがどうだとか、カタチにとらわれちゃいかんよ。目指した方向を見よ
今日も寄っていただきありがとうございます。デザインも好きコスト面以外はパーフェクト!
もう1杯おかわりいかがですか
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