粕谷哲さんの46メソッドをご紹介します。コーヒー抽出の世界大会のチャンピオンとなった後の実演会に参加して本人を目の前にして聞いた抽出方法です。
ご本人から直接聞いた4:6メソッドになります。しかも世界大会で優勝したコーヒーも提供され、味わうことができました。それ以降5年近く4:6メソッドで淹れています
4:6メソッドはオールマイティにおいしく飲めるよね〜
確かにいろんな豆でもおいしく飲めると実証済みですが、4:6メソッドは薄くなりがちです。数年実践しているので、注意点と改善方法も紹介します。
4:6メソッドとは
コーヒードリップの注湯量を4割と6割に分けて、味を抽出する方法です。
- 最初の4割でコーヒーの味を決定する
- あとの6割で濃度を調整する
- コーヒーのおいしい部分だけ抽出する
という考え方です。
注ぐお湯の量を計量して5回に分けて注ぎます。
ポイントは45秒間隔でお湯が落ち切ってから注ぐこと
抽出方法:ペーパードリップ
抽出器具:ハリオV60
コーヒ豆の挽き具合:粗挽き
コーヒー粉の量:20g(2杯分)
注湯量:300g(2杯分)
※抽出量は使用するコーヒー豆の15倍が目安
※1杯仕立てはこの半分
注ぐお湯の重さをカウントしていくので、できるコーヒーの量は270〜280mlぐらいになるよ。コーヒー粉とペーパーフィルターに吸収されちゃうからね
世界一になった粕谷哲さんの淹れ方
年に1度コーヒーのプロフェッショナルによる世界競技会「World Brewers Cup」というものがあります。
いかにおいしいコーヒーを淹れられるかというコーヒー抽出の世界大会です。
この大会で2016年に優勝したのが「粕谷哲」さん。アジア人で初の優勝という快挙となりました。
そして、この大会で用いて評価されたのが「4:6メソッド」というコーヒーの淹れ方。
4:6メソッドは粗挽き
4:6メソッドのポイントは粗挽き。コーヒーはおいしい成分が先に出るので、後のおいしくない成分を出さないために粗挽きを使います。
一言で粗挽きといっても、明確な基準がなく難しいところですが、ハリオV60粕谷モデルの説明書に原寸大が載っているので、そちらで確認しましょう。
注ぐ時間
45秒間隔でお湯を落とし切って注ぎます。最初の1投目が「蒸らし」になります。またコーヒー粉の粒度は粗挽きですが、45秒間隔でお湯が落ちるぐらいの挽き目に設定します。
累計時間 | 注湯量 | 総量 |
0秒 | 60ml | 60ml |
45秒 | 70ml | 120ml |
1分30秒 | 60ml | 180ml |
2分10秒 | 60ml | 240ml |
2分45秒 | 60ml | 300ml |
3分30秒 | ドリッパー外す | 300ml |
お湯の温度
- 浅煎り93℃
- 中煎り88℃
- 深煎り83℃
焙煎が深くなるほど低い温度のお湯を使います。
4:6メソッドはハリオV60
4:6メソッドのコーヒードリッパーはハリオV60です。他にも使っていたのは全部ハリオ製品でした。注ぐお湯の温度と注ぐ量を計るので道具が必要になります。
4:6メソッドに特化した粕谷モデル
ついにハリオから4:6メソッドに特化した粕谷モデルが発売されました。4:6メソッドでよりおいしく淹れられるように改良されています。
4:6メソッドは薄い
4:6メソッドの弱点は「薄くなりがち」という点です。長年淹れてみて、濃度計を買ってわかったことです。私達のようなふつうの人が4:6メソッドを再現できないポイントが3つあります。
- 粗挽きを使うけど、実際どれぐらいの大きさの粉にすればいいのかわからない
- 粗挽きだから、お湯がヌケやすく、濃度が低くく、薄くなってしまう
- 1杯仕立てだと、さらに薄く、味が安定しにくい
まず①は先に紹介した「粕谷モデル」のドリッパーを買えば、説明書に実寸の粉の大きさが載っています。
②のお湯が抜けやすい問題についても、「粕谷モデル」のドリッパーがいいでしょう。通常のV60よりもドリッパーのリブ(突起)が低く、お湯が貯まるように改良されているので、濃いコーヒーになります。コーヒー粉10gにこだわらず、好みに合わせてコーヒー粉を増やして調整しましょう。
粕谷さんはこの淹れ方で浅煎りのコーヒーを濃度1.3%を基準にしてたから、濃度だけで言ったらコンビニコーヒーより濃いぐらい。味をしっかり出すのがポイントですね。
③の1杯仕立てはどうしても濃度が出にくい。特に浅煎りだと薄くなるので、4:6メソッドをベースに1杯分に特化した淹れ方にアレンジしました!
味を調整するには
基本の4:6メソッドの淹れ方に慣れたら、自分の好みの味わいに調整していくことも可能です。味わいを変えたいなら、お湯を注ぐ最初の1投目と2投目の量を変えます。
濃くしたい、薄くしたい、という濃度であれば、3投目以降の注ぐ回数を変更します。
最初の4割で甘さと酸のバランスを構築
味を抽出する最初の4割を2投に分けて注湯します。1投目より2投目を多くすると甘さが強くなります。1投目を多く、2投目を少なくすると酸が強くなるそうです。この4割で味わいがほぼ決定します。
あとの6割で濃度の調整
あとの6割の部分は1回または複数回で注湯します。回数が多いと濃くなります。浅煎りで粗挽きの場合は、抽出効率が悪いので3投します。
まとめ
某ショップで買ったコーヒーがちょっと苦手な味だったんですが、この淹れ方だと、飲めるんすよ!!イケるじゃん!!!って結構ビビります。
あと、今まであまり浅煎りの豆は好きではなかったのが、この淹れ方だと、飲めるんすよ!!粗挽きなのに味出してくれるんすよ!!!
浅煎りでいまいちと思ったら、少し冷ましてから飲んでみてね。コーヒー抽出の世界大会では、高温帯だとおいしくないということで、少し冷ましてから提供したそうです
わざわざ計って淹れないよっていう人は単純にお湯を注ぐ回数を5回にしてみてね
ドリップは最初の3~4割でコーヒーの味が出きっているというのはわかってたんだけどね。(過去記事「ドリップコーヒーの味はここで決まる!」)もうちょいでここに至ったと思うんだよね~。ちょっとくやしいですが、ここまで体系化メソッド化されたのは、めっちゃすごいです。
さすが世界チャンピオン。レシピを公開してくれることに感謝して使わせてもらっています。
今日も寄っていただきありがとうございます。ぜひお試しください。
もう一杯おかわりいかがですか
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