フレンチプレスの基本的な淹れ方とコーヒー豆の挽き方をご紹介します。フレンチプレスは粗く挽いたコーヒー粉を使って、お湯に浸け置きで味を出す器具です。お湯を注ぐだけなのでアウトドアシーンにもおすすめです。
- フレンチプレスはお湯をお注ぐだけで淹れ方が簡単
- 豆の個性と コーヒーオイルが味わえる
- 水出しコーヒーもできる
1つは持っておきたい抽出器具です。ボダム、ハリオ等いろんなデザインがありますし、無印やスタバでも買えます。
フレンチプレスの器具はメーカーによって味が変わるということがないので、ぶっちゃけどれでもいいけど、ステンレスフィルターの精度でコーヒー粉がカップに混じるということがあるので、代表的なメーカーの物なら間違いないという話です。
フレンチプレスの裏技としてアイスコーヒーも作れます。漬け置きの水出しコーヒーができますね。

初めて飲んだらクセがすごい〜って違和感がありますが、慣れるとこれがコーヒーの本当の味なんだとわかります



普段飲んでるペーパーフィルターのドリップコーヒーは良くも悪くも味をカットしてるんだよ
それでは世界40カ国以上・3000杯以上のコーヒーを飲み、自家焙煎するコーヒーマニアのコーヒーブロガーひろが「フレンチプレスのおすすめと使い方と特徴」を紹介します。
フレンチプレスとは


フレンチプレスはコーヒー粉にお湯をかけて、浸して、コーヒーの成分を抽出する方法の器具です。
ステンレスフィルターを押し下げてコーヒー粉を容器の下にとどめて、カップに注いで飲みます。
コーヒーをお湯に浸して味を出すので、浸漬抽出と言います。
各社からいろんなものが発売されていますが、基本的には同じ構造。
フレンチプレスは容量で選ぶ
フレンチプレスの器具は各社からいろんなものが発売されているので、迷子になりやすいのが、困ったところ。ですが、まずは「容量」を基準にしましょう。
フレンチプレスは容器の大きさで一度にできる量が決まっているので、何杯分を作るのかで選びます。
ひとりかふたりの1・2杯分の350ml
3・4人の4杯用の500ml
7・8杯用の1リットル
おすすめのフレンチプレス
次に好きなメーカーかデザインかで選びます。フレンチプレスは器具によって味が変わるということがないので、お好みで選んで大丈夫。フレンチプレスの代表的な商品を紹介しましょう。
ボダム シャンボール


デンマークのキッチン用品メーカーの「ボダム」は、フレンチプレスをヨーロッパに広めた元祖的存在。フレンチプレスといえば、ボダムと言ってもいいぐらい。




ハリオールブライト


ハリオールはステンレスでスタイリッシュなデザイン。紅茶でも使える兼用タイプ。ハリオは部品販売もしているので、長く使えます。




ニトリ フレンチプレス600ml


ニトリのフレンチプレス(Rウェーブ 600ml)は、 フレンチプレスを持ってなければは買い!です。
フレンチプレス持ってない。興味がある。ちょっとやってみたい。というフレンチプレスデビューには、ちょうどいいでしょう。その理由として、おすすめポイント3つあります。
- 価格が安い
- シンプルなデザイン
- 十分な品質
さらにフレンチプレスだけじゃなく、ピッチャー・サーバーとしても使えるので、おすすめです。水出しアイスコーヒーを作るなら600mlサイズはちょうどいいサイズ感でもあります。


ダイソーフレンチプレス




メリタ フレンチプレス
メリタのフレンチプレスはガラスの取っ手でシンプルなデザイン。価格もリーズナブルです。
アウトドアにおすすめのフレンチプレス


フレンチプレスはコーヒー粉にお湯を注ぐだけなので、アウトドアでのコーヒー器具としても使えます。
しかし、本体がガラスのものが多いので、アウトドアのイメージがないけど、ガラスじゃない、ステンレスとかプラスチックのフレンチプレスの器具もあります。
ボダムの「トラベルプレス」はプラスチックなので、軽くて割れない。


タンブラーとプレスが兼用の持ち運びタイプ。コーヒー好きが旅行するならコレはおすすめ。ハワイに行った時大活躍しました。


フレンチプレスおすすめの豆


フレンチプレスで飲むコーヒー豆の焙煎度は浅煎り〜深煎りまでオールマイティなんですが、最初は慣れない味に「おいしくない」と感じるかもしれないけど、慣れれば美味しさがわかるようになる。
私もフレンチプレスを使い始めた当初は「なんか変な味」って感じてたけど、深煎りで飲んでみたら「おいしい」って思ったので、まずは深煎りがおすすめです。


フレンチプレスで使用する豆は「粗挽き」を使います。
一般的に市販されているコーヒーの粉は「中細挽き」のペーパードリップ用の挽き目です。コーヒーヒーショップで豆を買って挽き目をフレンチプレス用にしてもらいましょう。
コーヒーミルを買って、コーヒー豆を挽くようにすれば、抽出器具によって変えられるし、いつも香り高いおいしいコーヒーが飲めます。


フレンチプレスの淹れ方


コーヒー粉粗挽き15gに95℃のお湯300mlを2回に分けて注ぎます。
たったこれだけ!簡単ですね。
まず、お湯をコーヒー粉全体にかけながら半分入れ30秒ほど待ちます。


もう半分を入れます。つまみを上げたままフタをして3分30秒ほど待ちます。


つまみをゆっくり押し下げます。


カップに注いでできあがり!


フレンチプレスの味と特徴
コーヒー粉にお湯を注ぐだけ、ステンレスメッシュで濾すだけのシンプルかつダイレクトな抽出法だけにコーヒーの味もクセが出ちゃう。
コーヒーオイルが味わえる


フレンチプレスはシンプルな抽出方法で、ダイレクトに味を出すのでコーヒー豆本来の味を味わえます。
特にコーヒーオイルが特徴で表面に丸く浮いているのが見えるでしょうか。
ペーパーフィルターのドリップコーヒーではこのオイルを紙が吸ってしまって、カップにオイルが落ちません。


濁ったコーヒー


コーヒー粉や微粉がカップに混じり濁ったコーヒー液になります。日本人は比較的に澄んだ飲み物を好むので、ペーパーフィルターのドリップコーヒーに慣れていると、最初は抵抗感があるかもしれません。
あとステンレスのフィルターなので、コーヒー粉や微粉が混じり、やや粉っぽい。水質は濁りがあります。
フレンチプレスの味わいは独特なものがあるので、ドリップに慣れていて、初めてだとおいしく感じないかもしれません。私も最初はおいしいとは思えなかったけど、深煎りのコーヒーで飲んでみたら、おいしかった。
フレンチプレスの良さも半減しちゃうけど、ペーパーフィルターで濾すという手もあります。


濃度
フレンチプレスで淹れたコーヒーのをコーヒー専用の濃度計で計ってみましょう。


フレンチプレスの最初の1杯の濃度は1.04%
2杯目はコーヒー粉がお湯に使ったままなので濃度が高くなるはず


2杯目の濃度は1.10%



うん、飲んでもおいしい!
これぐらいであれば、1回で2つの違う味を楽しめます。飲んでみて濃くなりすぎてたら、お湯を足して調整しましょう
最初は浅煎り、中煎り、深煎りといろいろ試してみて、自分の口に合うのから慣れるのがいいでしょう。



コーヒーは慣れていって、おいしさがわかるもんだからね。炭酸水って最初おいしくないって思ったよね?でも慣れたらおいしく感じるようになったでしょ
フレンチプレスまずい?


見ていただいたように、ペーパードリップとは淹れ方が全く違うので、味の出方も違います。ペーパードリップの味が好きであの味に慣れていると、最初は抵抗感があるでしょう。
私も最初、変な味って思いました。微粉が混じるので水質も違いますし、とにかく慣れですね。


スペシャルティコーヒーの世界では味を判定する「カッピング」というのがあります。このカッピングはコーヒー粉にお湯を注ぐだけのシンプルな抽出です。コーヒー豆の味をそのまま味わう方法なので、いいコーヒーはいい味を余すこと無く味わえるのがフレンチプレスでもあります。


フレンチプレスで水出しコーヒーも


フレンチプレスは水出しコーヒーにも使いやすいです。コーヒー粉を入れて水を注ぐだけ。


コーヒー粉は中挽き・中細挽きでOK!コーヒー粉の10倍の水を注ぎます。
熱がない分、苦味は出にくいので、水との接触面積を多くして味を出します。


7〜8時間浸け置きの時間はかかりますが、豆の個性を味わえる、すっきりしたアイスコーヒーになります。


フレンチプレスの洗い方


コーヒー豆本来の味を味わえるフレンチプレスですが、「片付けが面倒」というデメリットもあります。
コーヒー粉を全部書き出して、フィルターを洗う必要があります。


私はサイフォン用の竹べらを使っています。ティッシュ1枚使えば、かなりきれいになります。あとは普通に洗剤で洗い流します。


ワンカップタイプ


1杯だけをサクッと飲みたいとき「フレンチプレスめんどくせーなー」というのがあったんですが、マグカップ用の茶こしがフレンチプレス式コーヒーにも使えました。
基本コーヒーは1杯分を自分で飲むだけというロンリーなコーヒー飲みには強くおすすめです。


フレンチプレス豆知識


そもそも論「フレンチプレス」とは何なのか。 もうちょっとフレンチプレス について掘り下げましょう。
フレンチプレスの歴史
まず名前のとおりフレンチプレスはフランスで生まれのコーヒー抽出器具です。
現在の フレンチプレス の原型となったものは、1929年にイタリア人デザイナーのアッティリオ・カリマーニがミラノで特許を取得しています。
その後デザインの変更が加えられ、フランス、イギリスでも発売され、デンマークの台所用品メーカーの「ボダム」によってヨーロッパ中に普及しました。
フレンチプレスの名前
またフレンチプレスは世界中で色々な名前で呼ばれています。
●イタリア「カフェッティエラ ア スタントゥッフォ」
●ニュージランド、オーストラリア、南アフリカ「コーヒープランジャー」
●フランス「カフェティエール ア ピストン」
(メリオールやボダムのように商標で呼ぶこともある)
●イギリス、オランダ「カフェティエール」
●アメリカ、カナダ「フレンチプレス」「コーヒープレス」
日本でフレンチプレスと言っているのは、アメリカの影響なんですね。
日本では紅茶の器具?


「これって紅茶用でしょ?」って思われた方もいるかもしれません。実は日本では紅茶の器具として発売されました。
昭和48年頃に紅茶メーカーが紅茶の器具として発売してヒットしました。
もともとはコーヒー器具なんですが、 紅茶用に発売されてブームになった経緯があるので、日本では紅茶のイメージのほうが強いんですね。
ちなみに紅茶用のティープレスはプレスの下部に穴がなく、プレスして茶葉を閉じ込めて、濃くならない構造になっている商品もあります。
またお茶好きの人から言うと、対流が起きないので、茶葉の抽出にはあまりオススメではないとか…
スタバではコーヒープレスがおすすめ


フレンチプレスの器具を買う前に飲んでみたいなら、スターバックスで「フレンチプレスで」と注文すれば、フレンチプレスでコーヒーを淹れてくれます。
店内で販売している豆を指定できるし、マシーンを使わないので、普通に飲むよりおいしい。
器具で持ってきてくれる店舗もあるのかもしれませんが、私が注文したときはカップで出てきました。


フレンチプレスまとめ


フレンチプレスはコーヒー豆本来の味を味わえる抽出器具
ペーパーフィルターに比べると、捨てたり、洗ったりがやや面倒ですが、フレンチプレスはコーヒー豆の味を丸ごと味わえます。
ドリップのペーパーフィルターだと、コーヒーオイルも、いい味も、悪い味もカットしてしまいますからね。良くも悪くもですが、最終的には好みですね。



最初ちょっとクセがあるけど、コーヒーの味を知りたい、楽しみたいなら絶対に必要なアイテムです



コーヒー豆自体のクセも出ちゃうけど、いいコーヒー豆ほど、ダイレクトな味を味わったほうがいいよ。こんな味の要素もあるのかって発見がある
豆を買ってミルで挽けば、ドリップとフレンチと、その日の気分で味を選べるっていいじゃないですか。同じコーヒー豆でも淹れ方で味が変わりますからね。忙しい朝には向きませんが、休みの日に飲むいつもと違うコーヒーはいかがでしょう。
今日も寄っていただきありがとうございます。コーヒーのいろんな味に出合いましょう。
コメント
コメント一覧 (4件)
とても勉強になりました。
こんどフレンチプレスで淹れてみたいとおもいます。
コメントありがとうございます。初めてだと、ちょっとクセがありますが、慣れると美味しいと思えるようになるし「この豆はフレンチで飲みたい」というのも現れますよ
ダイソーのフレンチプレス買うときにそちらの動画を参考にさせて戴きました。
…変わり種のフレンチプレスを買ってみたのですが。把手のデザインミスっている以外は面白いかなと思えるのがあります。貝印のコーヒープレスポットです。リンクはこちら。
https://www.kai-group.com/store/products/detail/9838
後、メリタのアロマフィルターで入れるのにもそちらの動画を参考にさせて戴きました。
コメントありがとうございます。貝印、意外とコーヒーアイテム出してますよね。コーヒーハンター川島良彰さんが監修したミルなど。
私はミニドリップポットを使っていますが、コーヒープレスは初めて見ました。アウトドアに良さそうですね。